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「ひ、姫?何故庇われるのです?」
長い夢を見ていたようだ。襲われたときはもう駄目だと思ったけれど、気を失ったことで思い出せたことがある。
ごめんねミズキ、カイザ、メリア、リュウ、それから魔王様……
私が一人、暴走してしまったから皆を守れなかった。
本当にごめんね。
私の頬を一粒の涙が流れた
「ミズキ、私にどうしてほしい?」
「「「フェア!?」」」
ああ、そうだ。彼等には沢山お世話になったからお礼をしないと。
と言ってもたった二日だけだけど。
少し寂しく思っていると、レオンさんに後ろか抱き上げられる。
「何一人で解決しようとしてるの?」
「え?」
「そうだよ~!折角こんなにも面白……危ない話心配だよ」
「魔法の話、とても興味深いものばかりであったからな」
何で彼等は助けてくれるの?
「俺たちはまだフェアと出会ったばっかりで何も知らない。それでも、俺たちはフェアのことを知りたい。だって大切な仲間なんだから!」
「……ミズキ」
「はい」
「私ね一人じゃできない。怖い。逃げたいよ。でもね、私、ずっと前から一人じゃなかったみたい。ミズキ、私は大切なもの全部守りたい」
笑顔で微笑みかける私にミズキは目を見開くと
「相変わらずですね、姫」
小さくだけど、笑い返してくれた。
その後は一端、街に戻ることになった。街に戻る途中ミズキから聞いた(レオンさん達が脅した)話によると、
魔王様が封印されて新しい魔王が君臨したことにより魔界は大混乱になっているそうだ。そして、一番やっかいなのが魔物が増出し出したことにより、人間界にも影響がでていること。
今の魔王を引きずりおろすために、レオンさん達は快く新魔王討伐を引き受けてくれた。
出会って間もない子供の頼みを引き受けるなんてスゴい器の広い人達だよね。
その日、私達は色々なことを語り合ってお互いのことを知っていった。
だけど、前世のことを除いて……
月はいつも照らしてる。その者が進んでいく真っ暗な道のりを……
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