火曜日:ふゆ子、堂々巡りする。

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火曜日:ふゆ子、堂々巡りする。

バタン。 「ふぅーーーゆゆ、ふゆぅ。あぁぁぁ…」 誰に言われるでもなく、 リビングに正座するふゆ子。 「毎日起きてぇ、 会社行ってぇぇ、 帰って… 寝る。 このルーティン、飽きたぁぁ…! どっか南の島とか行きたい! だぁれもいない島! 人キライ! 白い砂浜に寝っ転がって… なぁんにもしないで 波の音を聞いてぇ、 ざざーーん ざざーーーーーん…… ダメだ死んじゃうっ。 嬉しすぎるのか帰りたくないのか わかんないけどぉ そんな優しさに包まれたら 死んじゃう予感がするのぅ!」 正座からあぐらに変更した。 足痛い。 「そもそもぉ、 私しょっちゅう「人キライ」って 言うけどぉ、、、 もしも私以外の人間が 消えちゃったら 3日で死んじゃうって知ってるもん。 ゴミ収集の人も来ないし スーパーで食材も買えないしぃ、 水道出なくなるもんね! 飢えと渇きでお亡くなりなのゆぅぅぅ。 私はもっと そういう人と人の絆を 大事にしなきゃいけないんだもん。 分かってるんだもんっ。 ……私は誰かの役に立ってるのかにゃぁ… 毎日会社でパソコンかちかちして、 『誰かの何かに役立ってる感』が 全然しないのにゃ――ぁ。 でもねぇ、 私体がひ弱くて 運動神経も無いから、 たとえば 高層ビルの外側で窓ふきするような 『ダイレクトに役立ってる感じ』のお仕事したら 初日に死んじゃう。 物理的に。 窓ふきさんの乗ってるアレから落っこちて。 かといって もう限界かも…。 毎日会社で 天使の鉄仮面をかぶって みんなにニコニコするの。 ……死んじゃおっかなぁ… 死んでもきっと、 天国は無いんだろうなぁ。 私の天使が嘘っぱちなんだもんなぁ…。 どこへ行けば楽になれるんだろうゆゆゅ…。」 結論が出ないから、 ふゆ子はとりあえず お風呂に入ることに決めた。
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