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「結城、佐倉さんの居場所、至急探してくれないか」
この手は使いたくなかったが、結城に頼む事にし、LINE通話をかけた。
「AI搭載追跡ドローン、髪の毛1本あれば追跡可能なんだよな?」
結城が手がけたふしぎ道具、AI搭載追跡ドローン。
佐倉さんとヒアリングで外出した時に寒そうにしていた彼女に貸したコートについていた1本の髪の毛。
ゆるいウェーブかかった栗色の佐倉さんの髪の毛。
『居場所特定してるけど。WEB会議のアドレスから位置情報出した。今、小樽にいる。住所と航空写真送るよ。いいとこ住んでるよ』
結城からLINEメッセージが届く。
航空写真と住所。
「俺、今から行ってくるわ」
『AI搭載追跡ドローンも持っていけ、今、高速充電してるから。オフィスまで持って行ってやる』
夜勤明けの結城がAI搭載追跡ドローンをオフィスに届けるだけでなく、車で羽田空港まで連れて行ってくれた。
「……幸運を祈る」
面白がって着いてくる事はしなかった。
飛行機機内。
マンションに駆けつけた俺を佐倉さんが迎え入れてくれるか心配で堪らなかった。
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