契約ごとは恐ろしい

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「佐倉さん、契約について話し合いましょう。五木社長にも同行して頂きました」 堂本さんが五木博之を連れて小樽までやってきた。 羽田空港から札幌空港までの飛行時間は1時間40分。 距離は遠いが2時間弱で私の家に着いてしまう。 「佐倉さん、開けて下さい!!」 堂本さんがドアを強く叩く。 私が住んでいる部屋の階は昼間は無人。 夜には住民が戻ってくるから、堂本さんも諦めて帰るだろう。 「佐倉さん、いい加減にして下さい。仕事請け負って貰わないと困るんですよ!!」 1時間放置してるから堂本さんはかなり苛つきガラが悪くなり、大声をあげた。 「お前がいい加減にしろ、堂本!!」 ここにいるはずのない人の声が聞こえた。 「藤島、なんでお前がここにいる!!」 真凛ちゃんの足取りを掴むために私にも超小型監視カメラを取り付けてたのか。 それとも、私が電道の案件を請け負ってる事を知り、ネットワークをハッキングし居場所を特定したのか。 「佐倉が電道との請負契約を解消したいと言ってるんだ。諦めろ。契約契約ってお前の一方通行で交わしてない事に関してつべこべ言うな!!」 なぜか藤島マネージャーは事情を知っていた。 「なんでお前がここにいるんだ!!」 「佐倉が電道との請負契約を解消したって噂を聞いて、営業の三浦に電話かけたらお前が佐倉の家に押しかけたって聞いて、住所聞いて駆けつけてきた」
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