修羅場 side 藤島翔琉

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修羅場 side 藤島翔琉

電道のネットワークをハッキングして佐倉さんのアドレスから居場所を特定した事は隠したい。 朝イチのWEB会議で佐倉さんが電道との個人契約を切った事を俺が知っている正当な理由を作らないといけない。 「あの案件の担当営業、三浦だったな」 俺が可愛がっていた後輩の三浦が進行役を務めていた事を思い出し、LINE通話をかけてみた。 「三浦、佐倉が電道と請負契約を解消したと聞いたんだが本当か?」 『も、もう藤島さんの耳に入ったんですか!!そうなんですよ』 「で、請負契約解除を堂本は認めたのか!!」 すぐに通話になり、状況確認を行う。 佐倉さんがいる事で新規案件が100以上舞い込んでくる。 堂本は容易く請負契約を解除させないだろう。 『堂本さん、請負契約破棄を認めないと五木社長を連れて佐倉さんのとこに交渉しにいくって小樽まで行っちゃいました!!』 堂本ならやりかねないと思ってはいたが俺より先に動いていた事に、動揺したじろぐ。 「はぁ!!三浦、至急、WEB会議の動画と佐倉の自宅の住所を俺にLINEしろっ!!」 WEB会議はリアルタイム視聴し、住所も結城がハッキングして教えてくれた。 だが、盗聴とハッキングは犯罪だから人には言えない。 『社外の人に教えるのは……』 「佐倉が……心配なんだ」 『佐倉さん、かなり顔色が悪く全身にじんましん出ちゃってて見てられなかったのでおしえます。助けに行ってあげて下さい』 守秘義務を破り、三浦がWEB会議の動画と佐倉さんの個人情報を教えてくれた。
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