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元上司からの告白 in 函館
堂本さんと五木社長がやっと帰ってくれた。
2人が戻ってきたらいけないと藤島マネージャーは私の部屋の前にいる。
「どうぞ、中に入って下さい」
ドアを開ける。
ハロウィンパーティーに仮装しなくても行けそうなほど、今の私、ゾンビ化してる。
「い、いいのか!?」
「はい」
藤島マネージャーはこんな私の姿を見ても拒絶しない。
「佐倉さん、またストレス性蕁麻疹が出てしまったんだな。辛かったな」
家の中に入ると藤島マネージャーが私の体をぎゅっと抱きしめた。
いきなりの事に戸惑い、動けなくなる。
「ご、……ごめん。佐倉さん、怖い思いしたばかりなのに」
腕を緩め私の体を解放するも、右手で私の頭を撫でる。
「大丈夫だから。俺が佐倉さんの事を守るから」
「えっ!!」
「堂本がまたここに来るかもしれないし、1人だと不安だろ」
「う、……うん」
藤島マネージャーは面倒見がよくて優しい。
出勤が苦でストレス性蕁麻疹が出た時も、何かと気にかけてくれてた。
仕事の合間にウチに来てくれて、一緒にいてくれた。
「佐倉さん、気晴らし兼ねて北海道内を観光しよう」
「えっ!?」
「今の佐倉さんにはストレス発散が1番の薬になる。今から……函館に行こう」
「服は行く先々で購入すればいいから、このまま行こう」
スマホを手に取りお財布が入ったショルダーバックを肩にかけ、藤島マネージャーに手を引かれマンションの外に出る。
「レンタカー借りて行こう。スーツじゃ動きにくいし、ユニックロに行ってカジュアルな服を買おうか」
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