逃したくない彼女  side 藤島翔琉

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「萌花さん、出先で美味しい海鮮丼の料亭を紹介して貰ったのでランチに買ってきました。崎元さんが用意して下さったランチは夜に俺が食べるから一緒に食べよう」 マネージャーという職務から多忙で、萌花さんとの時間が取れない。 電道からクライアントが流れてきた事による対応で、堂本のやり方の汚さを聞き、苛立ちを感じた。 「海鮮、いっぱい乗ってますね!!」 「小樽で食べた海鮮丼ほどではないけどな」 Googloを退職し、萌花さんはかなり痩せ細った。 WEB会議が休みなく行われ、カタチだけの仕様書の作成に時間を取られ、食事を取る時間もなく、まともに眠ってなかったのだろう。 小樽に住み好物の海鮮丼を毎日でも食べに行きたかっただろうに、そんな時間がなかったと思われる。 管理栄養士の資格を持つハウスキーパーの崎元さんにお願いして、萌花さんのご飯の手配をして貰ってる。 ウーバー的な宅食は堂本の件もあり怖いだろうから、夜ご飯は作り置きになる。 刺身や煮物など萌花の好物をリクエストしているが最近残しているようだった。 ネットスーパーの利用もなかった。 食事をさせるためにランチとディナーのどちらかを萌花さんととるようにする。 フルリモート勤務で引きこもり生活をしていたが、萌花さんは寂しがりやらしい。 週末に萌花さんと他県へ1泊2日旅行にいくのが定番のデートで、彼女に俺を受け入れて貰えるよう努力していた。
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