181人が本棚に入れています
本棚に追加
翔琉さんが予約してくれたタクシーに乗りクリスタルタワーホテルへ向かう。
服装は翔琉さんが用意してくれた藍色のワンピースに白いコート。
格式の高いホテルでのディナーに緊張する。
ホテルの前でタクシーが止まると翔琉さんがエスコートしに来てくれた。
「萌花さん、来てくれてありがとう」
仕事帰りのはずなのに仕立てのいいブラックスーツを身に纏ってた。
ホテルの最上階にあるフレンチレストラン。
窓際の席で渋谷の夜景が一望できた。
豪華なコース料理を頂く。
アミューズ、前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザート、プチフール。
「萌花さん、青の洞窟に行きましょうか」
食後のコーヒーを飲み干し、渋谷大通りへ向かう。
Googloの元同僚やクライアント、下請け会社の担当者と遭遇しないか不安になる。
翔琉さんはそんな事気にせず私の左手を握りしめ、渋谷の街を歩く。
「萌花さん、左手薬指に俺からのプレゼントをはめても宜しいでしょうか」
青の洞窟入り口。
翔琉さんが立ち止まりポケットから水色のジュエリーケースを取り出し、私の前でパカっと開けた。
「俺と結婚して下さい」
人通りが多いイルミネーションイベント会場前でのプロポーズ。
クリスマスイブの夜だからたくさんのカップルが肩を寄せ合って歩いてる。
「……私でよければ貰って下さい」
人目が気になり、返事が雑になる。
左手を差し出すと翔琉さんがセンターに大きなダイヤモンドがついたエタニティーリングを薬指にはめた。
「来年はここにお揃いの指輪をはめて来ような」
指輪がはめらた手をぎゅっと握られ、青の洞窟の中に入っていく。
素敵なプロポーズだった。
最初のコメントを投稿しよう!