コミュ障には恋愛は難しい 2

気楽に働きたい

「気分転換に今日はジンギスカン食べに行こう！！」

父と母が4次請いのIT企業を経営していて、部下の過労死を苦に自殺した。
IT起業の再委託される多重下請け構造をなんとかしたいと思いGoogloに入社したけど、何もできなかった。

できようがなかった。

私自身が元請いから4次請いになり、痛感する。

「自分自身を守らないと。ヤバめの仕事は請け負わない」

フルリモート勤務で気楽にできる仕事だから、辞める気はない。

『佐倉さん、お元気になさってましたか！！』

「は、……はい」

請け負っていた案件のクライアント先から電話がかかってきて焦る。

『佐倉さんがGoogloを退職するとは思ってませんでした』

私の事を可愛がって下さっていた電道の堂本貴行さんからのビデオ通話で戸惑ってしまう。

『単刀直入に申し上げます。佐倉さん、電道に来ませんか？ネット広告作成チームのプロジェクトリーダーを任せたいのですが』

ヘッドハンティングのお誘い。

「ごめんなさい。今、東京に居ませんし、自分のペースでできるフルリモートできる仕事に就きたいのでお断りします」

東京には戻りたくない。

『個人委託にするのでフルリモートで問題ないです。ヒアリングも基本的に営業が担当するので東京にいらっしゃらなくても大丈夫です。佐倉さんを指名されてるクライアント先が多くて、聞き入れて頂けませんか？』

「わかりました。指名下さったクライアント様の仕事は引き受けます。下請け企業も同じでいいですよね？」

引き受けてしまった。
指名の案件だからそうないだろうと思っていた。

「こんなに案件あるなんて聞いてないんですけど……」

Googloから電道にクライアントが流れているらしい。