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まさかのヘッドハンティング side 藤島翔琉
シゴデキな佐倉さんが抜けた穴は大きい。
ネット広告の制作に関し、他社に依頼するクライアントが後を絶たない。
「プロジェクトリーダー 佐倉萌花!!」
佐倉さんが担当していたスモールとミドルのランクのクライアントが一斉に電道へ移っていた。
「堂本、電道に佐倉萌花を引き抜いたのか!!」
元同僚にLINE通話をかける。
『いいや、ヘッドハンティングは断られた。だが個人委託で案件を請け負って貰ってる』
佐倉さんに広告制作を依頼したいクライアントはたくさんいる。
かなりのクライアントが電道に流れた事に気づき、落胆する。
『惜しい人材を失ったな。じゃあな』
堂本にLINE通話を切られた。
佐倉さんがこの業界で働いている事がわかっただけ良かった。
どこで何をしているか全くわからなかったのもあり、ほっとした。
「佐倉さん?元気そうだったよ。WEB会議で見かけた。東京には居ないとかでフルリモートで対応するって言ってたよ」
佐倉さんと仕事をした下請け企業の担当者のところへ行き、彼女の情報を聞き出す。
電話番号を聞き出し電話をかけたい衝動に駆られるも、気持ち悪がられ、ストーカー扱いを受けるかもしれないからぐっと抑える。
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