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「僕が、お前に出した手紙……」
「じゃあ、それは??」
僕のポケットを指さされる。ポケットに入っているものを取り出した。コレはコイツから貰った手紙だ。それを奪われては、僕が出した手紙と並べられて、気付くことない? と微笑んだ。
「字が、同じ?」
「うん、そう。字が同じなの。……気付いた? 自分で書いてたってこと」
「っ……は? 書いてないし、お前は生きてるしっ……意味分かんねぇ」
頭を抱えていると、無理矢理顎を掴まれ、強制的に目を合わせられる。切なそうな表情を浮かべているが、目は怒っているようだった。
「いい加減現実見ろよ!! なぁっ!? お前はそんな奴じゃない!! いつもキラキラしていて、眩しくて!! 常に前を向いている!! そんな人間だろう!? 俺みてぇなクソの死を引きずって幻覚見て、のほほんとしてるんじゃねぇよ!! っ……いい加減、忘れろよ、俺のことぉっ……」
今まで聞いたことないくらい大きな声で怒鳴られる。開放してくれ、と言わんばかりな台詞だ。僕の耳元で嗚咽混じりの泣き声が聞こえる。僕はどうすれば良いか分からず、コイツが言う現実とやらに向き合うことも出来ず、ただ泣いているコイツの頭を撫でた。
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