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飛行機に乗り、窓から外を眺める。外の景色を見て和みながら、僕はポケットから一通の封筒を取り出した。僕の名前が書かれた封筒。裏には幼馴染である、アイツの名前が書かれていた。手紙である。親友であるアイツが毎年僕の誕生日に手紙をくれるのだ。汚い字を眺めては愛おしいと感じて思わず笑みがこぼれる。数年前立てた秘密基地、どうなっているのだろうか。実は東京へ行く前に2人で秘密基地を作ったのだ。いい年して何作ってるんだと自分でも思う。その時にアイツと約束を交わしたんだ。
「お前がいないなんて退屈だ。だからさ毎年俺の誕生日に、ここ――秘密基地に集まろう。年に1度で良いから、俺が産まれためでたい日に、お前と作ったこの場所で会って、色んな話をして、色んな事をしたいんだ。……え? 良いの? やった!! 約束だからな!!」
綺麗な金髪が靡き、周りにある木が揺れる。緑に囲まれながら、僕とコイツは指きりをして約束を交わした。あの約束からもう3年、東京に行ってからアイツと会って2回目、今回で3回目だ。胸を弾ませながら、アイツがくれた手紙を抱いた。
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