1年振り

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1年振り

 あれから数時間がたち、やっと地元の近くの場所に来た。飛行機を降り、電車に乗り、バスに乗り、やっと着いたのが地元の近くの場所。僕はここから歩かなければならない。なめないで欲しい、コンビニさえないド田舎を。当然バスなんて通っていないし、電車なんてない。あるのは車と自転車くらいだ。ここから大荷物を抱えて歩くのか、相変わらず憂鬱だ。そう思っていると、チャリンチャリンと聞き慣れた音が聞こえた。  音が聞こえた方を見れば、そこにはアイツが自転車に乗りながら手を振っていた。遠いが、やっほー!! と微かに声が聞こえる。驚く僕を無視して「迎えに来たよ、(みなと)!! 久しぶり!! 元気にしてた!? 早く行こ!! 後ろ乗って俺にくっついて!!」と僕が返答する間を与えず強引に自転車の後ろに乗せられる。離すなよ、と何回も言われるものだから思わず呆れてしまう。相変わらず心配性だなと笑っていると、元気にしてた? と聞かれる。元気にしてたよ、と頷ければ、それなら良かった!! と返答され、暫く沈黙が続く。ゆったりとしたスピード、靡く風は丁度よい温度で心地が良く、微かに香るコイツの匂いに懐かしいと思いつつ、やっぱ落ち着くなと目を瞑った。
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