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飛行機に乗り、電車に乗り、バスに乗り、色々疲れたのか眠ってしまっていた。目覚めれば鳥のさえずりが聞こえ、草を燃やしている、あの独特な匂いが漂う。やっと地元付近に着いたのかと実感する。ん、と声を漏らせば、起きたぁ? もうすぐで着くよと呑気な声で言われ、分かったとただ一言だけ呟く。暫くすれば僕らの秘密基地に着き、アイツはブレーキをかけて自転車を止めた。見慣れた景色に、ボロい秘密基地。降りれば背伸びをした。そんな僕を見てコイツは驚いた。
「うーわ、やっぱ背伸びてんな! 何センチ?」
「うーん……183くらい?」
「死ね、縮めやクソ」
「はっ、逆に伸びろやチビ」
「チビじゃねぇし! 一応身長177あるんでぇ?! お前が身長高いだけなんだよ」
煽れば、はぁ!? と少しムスッとしながら反抗してくる。その姿が愛おしくて、昔の頃からコイツを煽るのを辞められない。周りにある木をかき分けながら森の中に入る。すると赤いテープがあり、そこには小さな空間があった。木と木に布がかけられ、地面には布が敷かれており、小さな空間は小さな家見たいになっている。秘密基地と言っても皆が想像している立派な秘密基地ではない。たった3日で作った為、布と漫画しかない。太い丸太を椅子にし、2人一緒に座った。
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