エピソード1. 緑茶と最中

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「はい。他の会員も今日は各々(おのおの)来られないようなので...今日は僕一人ですよ。 で、先輩は、こしあん、粒あんどちらが良いですか?」 「粒あんかな。」 「了解です。」 そう言うと、佐倉はお茶を入れる為に、給湯室に消えていった。 いつもは会員で騒がしいこの部屋も今日は、自分と佐倉しかいなくとても静かだ。 遠くから(かす)かに吹奏楽部の、トランペットの音色が聞こえてくるほどに。 水沢は、茶色の合皮で出来たソファの上に腰を掛けた。
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