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「 小説『天使』が、今日発売されます」
ラジオのアナウンサーがいった。
「文豪・角谷才二の十年ぶりの書き下ろし長編小説です」
おれは、トラックにひかれたはずでは。
白昼夢だったのだろうか。
それにしては、痛みはあまりにも現実的すぎた。
なんにしても会社にいかなければ、「そして、会社がえりに『天使』を買おう」
おれは部屋をでて、鍵をしめ、しっかりと鍵がしまっていることを確認し駅へむかった。
カーテンはしめられ、朝だというのに薄暗い部屋のなかで、大人びた顔の天使のイラストが「けッ」と痛罵した。
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