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俺は抵抗して片山を蹴り飛ばして転ばした。しかし片山はすぐさま立ち上がると俺を止めるために顔面を殴ってきた。
「石川、なんでいきなり高橋さんを殴っているんだ。高橋さんに恨みでもあるのか?」
「俺は竹中さんに命令されただけだ」
高橋がそれを聞いて、鼻で笑っていた。
「竹中さんがそんなこと言うわけないだろ。そんな嘘、誰も信じない」
そこに強引な形で竹中が割って入った。天使の顔を捨て去り昨日見た悪魔の表情だった。
「私が石川さんに命令したのよ。高橋さんが調子に乗っているから顔に痣を作って欲しいとお願いしたの」
片山がその言葉を聞いて事態を受け入れられない様子で首を傾げていた。高橋は痛みに悶えながら信じられないという顔をしていた。
「本当に竹中さんがそんなことを頼んだの?」
「ええ、そうよ。片山さんに今日残ってもらったのはこんなにも面白いショーを見せてあげたいと思って」
片山がその言葉を聞いて怒鳴り声を上げた。
「これが面白いショーだって。馬鹿なことを!」
高橋が服についた埃を払いながら、痛みを堪えて立ち上がった。顔の皮膚が切れて出血している所を服の袖で拭っていた。
「なんでこんな酷いことするの?」
「あんたの顔が気に食わないからよ。男にちやほやされてるあんたが許せなくて、もう一生男に言い寄られない醜い顔にしてあげたかった」
竹中がクラス中に響き渡るほど大声で嘲笑っていた。教室が騒ぎになっていることを聞きつけた教師達が血相変えてやってきた。
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