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松田謙介は、親を早くなくし、親戚もいなかった為、孤独だった。
金もないため、待遇も良くないような会社で働いていた。
「あー疲れたぁ...早く帰りたい...」
家に帰る途中のことだった。
ガンッ
道路にとてつもなく大きな衝突音が響き渡った。
謙介の車の前にいたのは、大怪我をしているバイクの運転手だった。
パンッ
上司が謙介頬を思い切り殴った。
「謙介、お前が轢いた男なぁ、お得意さんのとこの役人だってよ。」
「もうお前の居場所はねぇんだ。さっさと出てきな。」
唯一の働き手だった会社もクビになり、もう謙介の行く宛はなかった。
しばらくの時が経ち、お金も尽きた謙介は、家を売却するため、ゴミの山が積み重なっていた、クローゼットの中を整理していた。
「ん?何だこれ?」
その中から出てきたのは、《世界犯罪史》という本だった。
完全に落ちぶれた謙介には、この本が運命の本に感じた。
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