僕らの約束

4/4
前へ
/13ページ
次へ
「あいらさんの事を信じてるんですね」 「当たり前だ。あいらはずっと……ずっと……僕のおよめさんになってくれるって言ってたんだからな!」 僕は自分に言い聞かせるように、大きな声で叫んだ。 僕らはきっと大人にはなれないと気付いていた。 それまで生きるのは無理だろうって。 それでもふたり一緒なら大丈夫だって思えた。 悪い方に考えてしまう僕と、全て良い方に考えるあいら。 ふたりでなら例え死んだって、幸せを見つけられるって思った。 だから僕はその幼い約束を宝物みたいに信じていたんだ。 けれどあいらには……もっと未来まで生きる道が出来た。 僕たちはもう一緒にはいられないのかも知れない。 ぐぅっと喉の奥で空気が詰まる。 鼻がツンと痛くて、じわっと視界が歪んだ。 胸が痛くて、苦しくて、悲しい……。 身体なんか無くても、心が痛いと辛くなるんだな。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加