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俯く僕の前で、死神は不気味な笑い声を出す。 うふふふふ……という奇妙な笑いが止んだので、僕はその髑髏顔に目を向けた。 「さっすが響ちゃん! 大正解だよ。百点満点!」 目の前の死神はそう言うとフードを払い除ける。 ばっとローブの前を開き赤いワンピースを見せた。 長いツインテールの髪には首元にあるのと同じ青いリボンが結ばれている。 外された骸骨の仮面の下には、1年ぶりに会えた懐かしい顔。 「本物の……あいら……なのか?」 「サプライズにびっくりし過ぎて、およめさんの顔忘れちゃった? それともパジャマじゃないから見違えちゃったかな? ほら、右腕の肘の内側のほくろもあるでしょ」 頬が赤いのは照れているせいなのか、伏し目のままで笑う。 どうやらあの仮面はボイスチェンジャー的な機能がついているようで、聞き慣れた彼女の声がした。 「なんで……手術は?」 驚きすぎて滲み出していた涙も止まる。 絞り出した声は震えていて、なんだか自分の声じゃないみたいだ。 「私ね、手術の直前に発作が起きて死んじゃったんだ。響ちゃんのお家にもお母さんが連絡してたみたいだけど、きっと響ちゃんには伝えなかったんだろうね」 もしもあいらが死んだと聞いていたら、きっと誕生日まで生きようと必死になったりはしなかった。 両親は僕を少しでも長生きさせようと黙っていたのだと頭の片隅の冷静などこかが納得する。 cac9a457-e722-4eaf-8648-ef6100d8f9a6
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