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「とろとろは気持ちいい……、気持ちよくしてくれるから好き……、イキたくてもイケなくて苦しいのにそれすら気持ちいい……。気持ちいい……、気持ちいい……。イキたい……、イキたい……。気持ちいい……」
(きもちいいぃ、イキたい、イキたいぃぃぃい!!)
『とろとろ』に口を塞がれ、理性を壊され、ひたすら快楽に狂うしか出来ない。
意味のある言葉などとっくに出せず、くぐもったような嬌声ばかり。
「我慢をすればするほど、とろとろはあなたを悦ばせようとしてくれます。あなたのペニスだけでなく、局部全体を刺激してきます」
その言葉で、とうとう崎山の脚が内股気味に震えだす。
鼠蹊部や睾丸、会陰にもゾクゾクと快楽が集まり始めた。
(もういやだ、ゆるしてぇ……!!)
これ以上は頭がおかしくなってしまいそうだ。そう思っていると、追い打ちをかけられる。
「さて、手も足も唇も上顎も乳首もペニスも会陰も、体中のありとあらゆる性感帯を刺激されて、あなたの体の中で絶頂寸前の快感が爆発しそうになっています。さて、それではもっと気持ちよくなりましょう。感覚をもっと上げますね」
初めはどこか無機質に努めていた夜伽光の声は、肉欲の色が混じっていた。
(――――っひ、ぁ、ぁあ、あああぁぁぁぁぁ……!)
それを認識した瞬間、彼を愛撫していた『とろとろ』が無数の夜伽光にすり替わった。
左右から彼の口内を犯す舌、全身を撫で回し、両乳首を嬲り、陰茎を扱き、亀頭を捏ね、睾丸を転がし、鼠蹊部や会陰を揉む、幾本もの手とその持ち主である幾人もの夜伽光。
そしてその全てを束ねる、崎山を視姦しながら『端末』に指示を下す夜伽光。
幾対もの視線と微かな欲を伴う声に、崎山は限界を超えつつあった。
「六十倍、七十倍、八十倍、九十倍、百倍」
「ぁ゙、――――――~~~ぁぁぁ゙あ゙あ゙あ゙ああああッ!!」
連続で音を鳴らされ、強制的に感度を上げさせられる。ベッドが軋むほどに悶える。
通常なら擽ったいで済むところでも気が触れそうな程に気持ちいい。
全身の神経に快楽しか感じられないような電流を流されているようだった。
自分がどんな声で善がり狂っているのかすら、もう認識出来るわけがなかった
「ひぃっぃい、いぁああぁぁ、ぁっあっあっ、あーッあーッあーッ!」
「ふふ……、気持ちいいですか? 気持ちいいですね。気持ちよすぎて発情メス声で善がりながら腰を振りたくっている今のあなたは、とってもエッチでスケベでいやらしいです」
「ぁ゙、ぁひぃぃいい゙っ」
エッチで、スケベで、いやらしい。
そのような形容をされて、喜ぶ人間など普通ならば皆無だろう。
だが『とろとろ』……もとい、夜伽光に催淫され狂わされている今の崎山の心に、確かにナニかを植え付けた。
それを本人も夜伽光も全く理解していなかったが。
「……さて、とろとろも満足したようです。最後に、とろとろの大好物である精液をたくさん飲んでもらうために、絶頂しましょうか」
「ああぁぁ、あひぃぃいぃ! いぎだい、いぎだいいぃ――――ッ」
「そうですね、イキたいですね。たくさんたくさん我慢してきた分だけ、きっと頭がおかしくなりそうな程の絶頂があなたに襲いかかり、その分、精液もたくさん出せるでしょう。いっぱいいっぱい気持ちよくしてくれたとろとろに、お礼の精液をたくさん出しましょう」
「ぁぁあああああ、だしゅ、だすぅぅぅぅうう!!」
「……ふふ。では、これから10数えます。0になったら、あなたは待ち望んだ絶頂を迎えることが出来るでしょう。では、いきますよ。10……」
(ぁ、ぁ、ようやく、イケる……、イキたい、射精したいぃぃぃっ!!)
過度の快楽による寸止め地獄から解放される。
それだけで、崎山の体は更なる悦びを感じていた。
「9……、8……、7……」
ガクンガクンと暴れる体の動きに合わせて『夜伽光』が愛撫を激しくする。
鈴口を責めたて、両乳首を弾き続け、口内を唾液と舌でいっぱいにしてくる。
「6……、5……、4……」
もう少しで解放される。今までに感じたことのないような強烈な絶頂を崎山は味わうことになる。
「3……、2…………、1………………」
早く、早く0になってほしい。
じらさないで。
発情の雄叫びにも似た善がり声を上げながら、膨らみ続ける絶頂寸前の快楽に崎山は悶えるしかなかった。
そして、その瞬間は唐突に訪れる。
「0!」
パン! と高らかに両手を打ち鳴らす音が鳴った。
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