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アーヒルが「俺の全て」と言った、この世界の『空木鈴音』を殺したのは僕だ。
僕にとっては漫画の中の話でも、この世界で生きているアーヒル達にとっては日常の生活なんだ。
僕があの時に強制終了させなければ、この世界の空木鈴音は死ななかった。
再びアーヒルの腕の中に戻り、愛を紡いだのだろう。
そう思ったら、いたたまれなくなってしまった。
「やっぱりダメだ!」
僕の身体に触れるアーヒルを突き飛ばし、僕は自分を抱き締めるように身体を丸めた。
「空木殿?」
拒否された事に驚いたような顔をしたアーヒルに
「僕は、きみに助けてもらう資格が無い」
そう呟くと
「何故?」
と聞かれてしまう。
「僕は……」
真実を話そうと口を開くけど、今、この人の後ろ盾を無くしたら、僕は間違いなく悲惨な運命を辿るだろう。
でも、アーヒルの大切な人を奪ったのは僕だ。
そんな僕が、この人の庇護を受けて良いのだろうか?
そう考えると、アーヒルの手を素直に取れない。
「空木殿?」
不思議そうに僕を見下ろすアーヒルに
「僕は……僕には、きみの手を取る資格が無いんだ」
そう呟くと
「空木殿、資格ならあります。あなたは異世界の方だ。貴方は、無事に元の世界に帰る資格がある。その為に、俺の手を取って下さい」
そっと僕の手を取ると、手のひらに唇を当てて優しく微笑んだ。
「この命に代えても、あなたを守ります」
誰も知らない世界に落とされて、こんな優しい言葉を掛けられて、思わず涙が込み上げて来そうになった。
(お前のリンを殺したのは、僕なのに……)
「アーヒル……」
見上げたアーヒルの、欲情に濡れた瞳が蝋燭の炎に揺れて美しい。
両手を握り締め、ゆっくりとアーヒルの唇が重なる。
昂る互いのモノを重ねて、アーヒルがゆっくりと腰を揺らす。
ゴリゴリと硬い感触が擦れ合い、無意識に僕の腰も揺れていた。
「あっ……あっ……」
唇から漏れる声に、恥ずかしくてたまらない。
顔を枕で隠そうと身体を捻った時に、そのままうつ伏せに身体を反転されてしまう。
項から背中に唇を這わされると、腰を持ち上げられて足の間にアーヒルの硬いモノを差し込まれた。
「足を閉じていてくれ……」
荒い呼吸をしながら囁かれ、僕は羞恥に頷きながら枕に顔を埋めた。
まさか、男に素股をさせられる日が来るなんて!
でも、これをしないと他の人が僕の匂いでおかしくなってしまう。
硬くて熱いアーヒル自信が、ゆっくりと抽挿を始める。
僕自身の裏筋を、熱いアーヒルが出入りしてゴリゴリと刺激してくる。
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