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昔から恋愛感情が分からなかった。
最初に書いておくと、私は女で現在高校生。
まだ高校生なんだから、いい人に会ってないだけじゃない?という類の言葉は飽きるほど聞いてきた。
そんな単純な問題じゃないことくらい、自分が一番わかっている。
所謂トキメキという感情がわからない。ついでに言うと羞恥心も薄い。
多分だけど裸を見られてもなんとも思わないと思う。
実際中学時代、廊下で着替えていたせいで怒られたことがある。
これは別に好んで脱いでる露出狂というわけではない。
その学校には女子更衣室は完備されていたが男子更衣室がなく、至る所で男子生徒が着替えをしていた。
なので、体育会シーズンで更衣室が混んでいた時、ごく自然と廊下で着替えてしまおうと思ったのだ。
話が逸れた。
所謂イケメンと言われる異性を見ても心拍数は上がらない。まずあまり視界に入ってこない。部活で合同練習があった際、同級生のほとんどが嬉々として「格好いい子いない?」と、探していたことが不思議だった。
私はせいぜい、あそこの制服可愛いな、くらいしか考えていなかった。
そもそも周囲への関心が薄すぎるのかもしれない。
おしゃれしたい、可愛い服を着たい、ブスでありたくない、という欲は普通にある。
小学校低学年の頃読んだ漫画に、
『スタイル抜群のお姉さんになって、おしゃれして、カッコいい彼氏とラブラブになるの』という一節があった。
前半は、「うんうん」と思いながら読んでいたのに対し、後半は「??」という感情になったことをよく覚えている。
「色恋感情の種」のようなものさえなかったのだ。
成長するにつれて、親戚の人や親の知り合いと話す際、「好きな人いるの?」などと毎回聞かれるようになった。
最初、私はこれを、一般的な高校生が最も関心のある話題を出してコミュニケーションを取ろうとした彼らの好意、とは気づかなくて、なぜこの人たちは会うたび嫌がらせじゃをしてくるんだろうと思っていた。
好みというものを聞かれても、分からない。
ひどい例えかもしれないが、犬に興味ないのに好きな犬種は?と聞かれているような気分になる。
しかし、犬とは違って興味ないんだ、と言っても向こうが納得してくれることは少ない。
稀に、まだ高校生だもんねと納得したように言ってくる人もいるが、その人は理解しているようでしていない。
いずれは私にも好きな人ができて、好みができる前提で話をしているからだ。
犬を好きでない人が、ある年齢を迎えた途端興味を持つことが少ないように、私もこれから歳を重ねたところで異性に興味を持つようになるとは思えない。
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