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「そりゃそうだろう。ミモザさんも危なかった。離縁していなかったら今頃餌食になってたかも知れないぞ」
「それって…やだ」
ミモザはもしかして義理父はそのような薬を使っていたかもしれないと思うと恐怖でゾクッと震えがした。そして今度はそれを自分に使われていたかもしれないのだ。
「ほんとにあの時先生に出会っていなかったら…」
「いや、実はそのことなんだが…いや、その…言いにくいんだが…自分の気持ちに気づいたというか…あの…いつどうなるかわからないなと思ったら…」
セルカークはいきなり照れて耳まで赤くしている。
「なんですか?中年がそんな赤い顔をするなんて気持ち悪いですよ」
「なっ、でも、こういうことは慣れていなくて…すまん。ミモザさん。………お、俺と付き合ってくれないか…ミモザさんの事がどうも…その‥す、好きになったみたいで…あの、ね、寝ても覚めても君の顔がちらついて、いや、おかしいんだ。これはもうこ、恋煩いって言うか、どんな医者でも薬でも治らないって言う…あのや、病らしくて…」
セルカークは思いっきり噛みながら告白する。
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