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31ミモザ思い出す
ミモザは息を切らしながら診療所に帰って来た。
急いで荷物をまとめる。
もう、ここにはいられない。
セルカークが好きになってしまった。でも、こんな気持ちでは絶対にうまく行くはずがない。
シルヴィはあんな風に扱われて死んでいった。なのに同じ男と幸せになんかなれるわけがない。
ミモザが急いで出て行こうとしたその時。
セルカークがはぁはぁ言いながら帰って来た。
「待ってくれ!出て行く気なのか?どうしてミモザさん?俺の事好きだって言ったじゃないか!」
「許して下さい。無理なんです。私があなたといるのはどうしても無理なんです」
「どうして?俺が不能だって言ったからか?ポンコツだってわかってるから?確かにそうだった。でも、君に出会ってからどういうわけか…その、こっ、興奮して来るって言うか…コホン。多分大丈夫だと思えるんだ」
セルカークは少し赤くなっている。
「はぁ?先生。まさか」薬を使って?」
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