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「あの日もつい飲み過ぎて俺は夜遅くなった。シルヴィ帰ったぞって…そしたらシルヴィが倒れていた。俺はシルヴィの顔に近づいて息をしているか確かめた。まだ、生きていたと俺は震える脚で彼女を抱いて診療所に走った。診療師は破水して意識を失ったらしいと言った。俺は助かるんだろう?って何度も聞いてシルヴィの手を握ってそばについてずっと一晩中をかけ続けた。俺が悪かった。もう二度とお前を泣かすようなことはしないからって、お前も赤ん坊もちゃんと面倒見るからって、手伝いもして仕事もきちんとして、それで酒も飲まない、女とも遊んだりしないから、真面目になるからって…だからシルヴィ死ぬなって何度も何度も言ったんだ。でも…俺が悪かった。全部俺が悪かったんだ」
セルカークは大きくため息をつく。
ミモザは彼の話に耳を疑った。
(そんな事聞いてない。でも、そうだったかもしれない。今だったらそうかもしれないって思えるから)
「シルヴィは死んでしまったんだ」
(ええ、そうよ。私は死んだわね。あなたのせいよね。ううん、そうじゃないかも、ミモザはやっと気づいた。
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