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「こんな話ですまん。でも、俺はシルヴィが死んでそれからしばらくひどく荒れた。喧嘩ばっかりして、あの日もそうだった。酒に酔って絡まれて相手がナイフを持っていて切り付けられた。腹から下半身にかけて傷を負ってもう少しで死ぬところだったと後で聞いた。死ねばよかったって思った。でも、俺は死ななかった。だったら何か出来ることをしろって父に言われた。それで、何かしなきゃって思った。それがこの仕事だった。贖罪って言うのか?そんなきれいな物じゃないけど、自分に出来ることをしなきゃあの世に行ってもシルヴィに合わせる顔がないって思ったんだ。どうだ?呆れただろう。俺は酷い男なんだ。でも、なぜかミモザさん。君と出会って俺の中で何かが動き始めた。ずっと止まっていた時間が…どうしてなんだろう?おれにもうまく説明できない。でも、君と一緒に生きて行きてみたいって思うようになっていた。こんな俺が…そんな幸せになってもいいのかって思うけど…でも、今言わなかったら絶対後悔するってここが言うんだ!」
セルカークが心臓を拳で強く叩いた。
ミモザはそんなセルカークをじっと見つめる。
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