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すぐに、目の前で忌ま忌ましそうに小さな舌打ちの音がし、思わず顔を上げていた。
目のあった友人が、気まずそうに視線を逸らす。
「てか、盛大に燃えてるじゃん」
「ま、バズってるオレを妬んでるんだろ」
馬鹿にするように彼が笑い、まわりも一緒になって笑う大きな声が教室に響いた。
「……なんだよ、アイツ。
あんぐらいでこれ見よがしに自慢して」
横目で友人――佐々木が、彼を憎々しげに睨む。
「それくらい、オレだってできるって。
なあ」
「……うん」
もうひとりの友人、鈴木に同意を求められ、曖昧な笑顔で頷いた。
ちなみに僕の名前は西木で、三人まとめて森なんて呼ばれている。
すぐにチャイムが鳴り、授業が始まる。
鈴木はああ言っていたが僕たちには到底、あの彼のような行動はできないとわかっていた。
あちらはカーストトップの主役で、僕ら森はごく普通のモブなのだ。
昼休み、いつものように三人で昼ごはんを食べていたら、鈴木がとんでもない提案をしてきた。
「なあ。
オレらもなんか凄いことして、アイツらを見返してやんねー?」
日頃から彼らに見下されているので、鈴木の気持ちはわかる。
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