漫画家?

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漫画家?

一瞬ドキッとしたが、青年は猫を乾かしながら、「俺が養うからね」と優しく呟いている。 (そりゃそうだ) 期待してしまった自分を恥じていると、青年はドライヤーを止めて猫を私に見せてくる。 「みーちゃん、乾いたみたい。ありがとうございます」 タメ口と敬語が入り混じっているエセ敬語だが、年上に対する彼特有のコミュニケーション何だと思うと、可愛らしく感じる。 「コーヒー飲みましょ」 「はい」 猫を抱き抱えたまま、洗面所からリビングへ移動する。 リビングには青年の趣味なのか、漫画が壁一面の本棚に詰まっている。 (すごい…漫画喫茶みたい) 真ん中にはテーブルの上に描きかけの漫画の原稿が散らばっており、その上を猫が歩こうとすると、「そこはだめー!」と言って猫を抱き抱える。 「漫画を描いてるの?」 「そう。一応プロ」 「プロってことは、どこかで連載とかしてるってこと?」 そう質問すると、見た方が早いと言わんばかりに本棚から何冊か漫画を取り出して、私に手渡してくれる。 「花山凛」というペンネームの作家の本ばかりだ。 漫画はあまり読まないので詳しくないが、表紙から察するに少女漫画みたいだ。 「これ、全部俺の描いた漫画」
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