ミヒャエル・エンデ

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ミヒャエル・エンデ

その本を書いたひとの名前。 ドイツの児童文学者。 サーカス物語など、ほかの作品も読んだが、 あたしの琴線に触れたのは はてしない物語 と モモ だった。 彼が書く世界の人物、正確には主人公に あたしは強く憧れた。 あぁ、その世界で生きたい、と願うほどに。 たかだか小学校2年生の子どもに見限られるのが、この世だ。 いや。ただの逃避なのだけれど。 大人が高をくくっている以上に、 子どもはいとも簡単に絶望し、逃避し、悲観する。そして、見切りをつける。 大人にも、世の中にも。 あたしが大人になっても、決して忘れないようにしよう、と思った感情だった。 そして、後々あたしのバックボーンともなる。 それはまた、別の話。 多分、ご本人はかなりの偏屈で面倒くさい人だったんだろうな、とあたしは勝手に思っている。 純粋、なんて幻想だ。 それを嫌というほど知っているから、 彼が書く世界は 真摯で、美しく、まっすぐで、残酷で、救いがなくて、救われる。 この人は、子どもだからって、誤魔化さない。 話さないで済まそうとしない。 穢いモノも、感情も、人間の身勝手さも 責任から逃れる卑怯さも、望まないカタチの愛情も 世の中はそんなモノだらけだ、と。 でも、私は信じているモノがある。 あなたは其れを見つけられますか?と そう語りかけてきているのではないか。 そんな信頼感を 勝手に 抱いていた。
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