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Epilogue
「美結!」
後ろから名前を呼ばれて振り向く前に思い切り抱きしめられる。
「れ…、んや?」
抱きしめられた驚きで身が固まる。
「勝手に離れようとすんなよ。俺がいつ美結を今も捨てる気とか言った?人の話聞けよちゃんと」
いつもと違う、強い言葉遣いに蓮也の余裕の無さを感じる。
「だ、だって!恋の仕方わかんないとか言うし、私の事好きなんかじゃないくせに!」
「好きだよ」
予想外の言葉に息が出来なくなる。
今、なんて言った?
「好きだ」
耳元から聞こえる声に、首を横に振る。
「嘘、絶対もう騙されないんだから」
今までこの男に何度騙されて、何度警戒心無いなんて馬鹿にされて、振り回されてきたか。
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