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「…言いたくない」
そう呟く私に電話から強めの声で『美結』と呼ばれて固まる。
『言っとくけど離れるとか許さないから』
「…許さないって、私から離れるのがそんなに気に入らない?自分が振らないと納得いかないわけ?」
そう言う声も震える。
もうあんたの声なんて聞きたくないんだってば。
やっと決意できたのに、揺らぐでしょ。
『電話で言いたくない、良いからどこ。』
「…バーから少し駅方面に歩いた所。」
そういうと電話を切られてしまった。
何で私、いつもあんな奴の言うこと聞いてしまうんだろう。
もう会わないって強い気持ちでさっき離れたつもりだったのに。
自分の意思の弱さに呆れてしまう。
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