Episode1

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「これ…、拉致だからね。自分でやってる事わかってる?」 「拉致なんかよりもっと酷いことしてるのにそっちに関しては何も言わないんだ?」 そう言われてしまえば確かに…と言葉を呑む。 名前も何も知らない男に車に乗せられて今私はどこに連れてかれようとしてるのか…。 「ねぇ、どこ行く気。帰りたいんだけど私 」 「別にこの前みたいにすぐホテルに連れ込もうとしてる訳じゃないんだから、警戒しないでよ。腹減ってない?ちょうど晩飯食いに行くところだったから付き合ってよ、美結ちゃん」 名前を呼ばれてハッとした。 何で私はこいつの名前知ってて、こいつは私の名前知ってるんだ!と今更ながら。 「ま、待って。あんた、私の個人情報どこまで抜いて…」 「人を犯罪者呼ばわりやめてくれる?完全に君の自己紹介を覚えてただけだから。そっちは俺の名前どうせ覚えてないんだろうけど。」 自己紹介なんてした記憶もない、と言いたいけど酔っ払った私が何をしでかしたかなんてそれも覚えているわけもない。
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