Episode1

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「こういう店来るの初めて?」 「…逆に慣れてると思う?」 「はは、全然思わないかも」 そりゃそうでしょうよ、あったら目が節穴すぎる。 私には安い居酒屋でお酒を飲んでるぐらいが似合う。 こんな高級レストラン連れてきてくれる恋人なんて居なかったし。 まさか初めてのその相手が一度寝ただけの何も知らない男だなんて思わなかったけど。 「よく来るわけ?ここ」 「まあ、そうだね。女の子ときたのは君が初めてだよ」 なんてまあ素晴らしく胡散臭い笑顔でいってくる。 胡散臭い笑顔と同時に女を口説きにかかってる顔。 「見え見えの嘘やめなさいよ」 「他の女の子は騙されてくれたんだけどなあ。」 なんて先ほどの作られた笑顔じゃなくてふと気の抜けた顔になる。
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