振って、振られて、振り回されて

Episode1

「というか女の子としか来ないでしょ？」

「野郎とこんなところで飲むわけ無いしね」

そりゃそうだ。

大切な取引先でギリギリ利用するかどうかな感じ。

…いや、三つ星レストランは流石に使わないな？

脳がバグりそうになったところになんとか修正をかけて、グラスに入った水に口をつける。

「てか美結はなんで結婚したいの？」

「え、死ぬまでに1回は死ぬほど愛されてみたいから。」

平然とそう答えると、蓮也は少し驚いた顔をした後吹き出すように笑う。

何笑ってんだこいつ、私の真剣な夢を。

「その気の強さで意外と可愛い理由なんだね」

そういう蓮也の言葉の後にウェイターが入ってきて料理と赤ワインを運んでくる。