Episode2

1/14
前へ
/125ページ
次へ

Episode2

『もしもーし、俺。蓮也だけど』 聞こえるはずのない声が今スマホから聞こえている。 1周まわって何も驚かなくなってきた。 「…ちなみに一応聞くけど、何で私の連絡先」 『美結が寝てる間にちょろっと見た。ロックかけないんだねスマホ。危なくね?』 「あんたみたいに見てくるカスも、とても中身見せられな〜い♡なんて内容も隠したい彼氏も居ないんだよ。」 とても中身見せられな〜い♡は私にとって渾身の女声だったわけだけど蓮也のツボに入ったらしく笑ってやがる。 何笑ってんだ、この野郎。 『でも落としたりしたらまじで大変だから掛けときなよ。美結の危機感の無さはまじでびっくりする』 なんて私のスマホをぬけしゃあしゃあと覗いておいて何言ってるのかこのクソ男。 「で、何の用?私もうあんたと話したくないからこの電話終わったら着拒する予定だけど」 『あの日の事、謝りたいと思ってる。悪ふざけが過ぎた、ごめん。だから、会えない?』 真剣な声のトーンに思わず二度と会わないが揺らぎそうになった。 いやいや、何絆されそうになってんの私。 この男の言う事信用なんてしちゃいけないんだから。 「…謝罪とかいいから。そんな無駄な事に時間使わないで有意義な事に時間使って。それじゃあね。」 一方的にそう言うと電話を切った。 もう関わらないって、決めたんだから。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加