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街中で有希と珍しく休みの日に合わせて買い物に来ている時だった。
デパートの化粧品売り場でああでもない、こうでもないなんて言いながら少しお高めのコスメを見ている。
有希は有希でストレスが溜まっているらしくてそのストレス発散に付き合わせていた。
「どっちが似合うと思う!?」
2種類のリップを持ち上げながら聞いてくる有希に「うーん、こっち」と指差しながら選んでいるとその奥に見慣れた姿を見つけた。
それも1人じゃない、女の人と一緒。
「ゆ、有希。ちょっと別の店移動しない?別フロアでもいいし」
「はあ?今選んでもらった商品買いたいし、まだ見たいから無理よ。」
有希が急に何?とでも言いたげな怪訝そうな顔をして言ってくる。
でもこっちとしてはそれどころじゃない。
「あ、じゃあちょっと御手洗行ってこようかな」
そう言ってそそくさとその場を後にして、御手洗がある場所まで逃げる。
間違いなく蓮也だった、見間違えるわけが無い。
あの男に会いたくなくて逃げ回ってたんだから。
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