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「何か好きとかそんなんじゃないしむしろ嫌いなんだけど、何か気になるのよね。もしかしたら元は悪いやつじゃないんじゃないかとか。そんな風に思えてきて」
「もしかしてワンナイトした彼の話してる?」
…本当変な所鋭い。
「認めたくないけどそう」
クッと顔を顰めてかなり不本意であることを表情ででも伝える。
有希は少し楽しそうに笑うと「でもさ」と話を続けた。
「そんだけ気になるなら彼のこと知ろうとしてみたら?知らないから気になるんでしょ。本当に嫌いなのか、実は素がどうなのかとかそれから判断してみたら良いじゃない。」
有希の言うことは最もだと思う。
それにさっき和解したばっかりだし、今後避けても会いそうな気がするし。
でも苦手なものは苦手だ。
早く結婚したいとか考える私に他の男と遊んでいる余裕はまったくないし。
蓮也の事を無理して知ろうとする必要はない気もする。
「それに知ってく内に好きになれたらラッキーじゃない?」
「…それはないかな」
からかうように言ってくる有希にはっきり答えてまた街中を歩く。
本当こんな短期間で人の思考に入り込むなんて厄介な男。
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