71人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、あんた。何で家なんか知って…。」
『だから危機感たりねーんだって。心配になるわ美結ちゃん』
なんて電話越しに笑いながら言っている。
笑い事じゃないし、わざわざ調べたのかと思うと怒りが沸いてきた。
「ちょっと、流石に踏み込んできすぎじゃないの。いい加減にしなさいよあんた。」
怒りを隠せないままそう言葉にして伝えると、蓮也は私をなだめるように『まあまあ』と言葉にしてくるのがまた腹立たしい。
どうして怒りの原因の男になだめられなきゃいけないのか。
『美結、会いたい』
珍しく優しい声でそんな言い方をしてくるから何も言葉を返せなくなる。
会いたいとか普段言ってこないくせに、今日は一体何だって言うのよ。
「…何時にどこ」
『じゃあ…』
蓮也の言葉を頭の中に入れて、その時間に向けて用意を始める。
最初のコメントを投稿しよう!