Episode3

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「身体は前に行きすぎないように真っ直ぐにして…、そう。そのままダーツボード見て、その時狙う場所と矢がまっすぐになるようにして」 そう言いながら軽く触れながら構え方を教えてくれる。 普段なら距離が近いとか、耳元で当たる息が気になるとか言ってるところだけどダーツは本当に好きなのか先生のように丁寧に教えてくれている。 その声も優しくて聞きやすい。 「投げる時は紙飛行機投げる感覚で投げると良いよ。そのまま投げてみ。」 そう言って少し私から距離を取るのを確認して、そのまま投げる。 真ん中に当たるとまでは行かなくてもダーツボードに当てられた。 「お、まずまずじゃない?初めてだと手前で落ちちゃったりぜんぜん違うところに行ったりするから上手」 素直に褒めてくれるのがまた嬉しい。 「…楽しいかも」 「でしょ、結構好きなんだよね。」 そう言いながら右手を私に向けてくる。 その意味がわからず首を傾げると「ハイタッチ」と言いながら可愛らしく笑ってくる。 意外とそんな子供みたいな可愛いところもあるのね。
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