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蓮也の右手に私も自分の右手でハイタッチする。
「ダーツする友人なんていないからこんなに楽しいなんて知らなかったわ、ありがとう。連れてきてくれて。」
「楽しんでもらえてよかった。もうちょっとやってみる?」
矢を渡されて受け取って、しばらく投げさせてもらった。
この時間は初めて蓮也といて心から笑えた瞬間かも知れない。
楽しいって思えたことも少し嬉しかった。
何で嬉しかったってそんな恋愛事が絡まなくても友人としてやっていく方法もあるって分かったから。
あんな後味の悪い形で縁が切れるのが嫌だったのは私も同じだったのかも知れない。
友人として楽しめる方法があると知れば今みたいな苦悩も減るだろうし。
蓮也も趣味をこんなふうに教えてくれたのは、単純に居て一緒に楽しみたいからなのかなって思えた。
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