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わかったけどぉ、ってあなたの口癖ね。
本当は、ちっともわかっていない癖に。
だって、目が泳いでいるじゃない。
言い訳探しだけは誰よりもお上手なのよ、あなたのパパは。
健壱が言葉を話せないことも、私が悪いって押し付けて、次は遺伝なんじゃないかって疑うつもりなんでしょうね。
ああ嫌だ、なんて酷いパパでしょう。
顔が似ていないとか、身体つきがとか、話をすりかえないでくれる？
昨日から疑わしいとか、ああだこうだ言って、私が諦めるように仕向けようとしているんでしょう？
ばれているわ。だってほら、目が泳いでいるもの。
わかりやすい人ね、本当に。
そういえば、一度も見たことがないわ。
俺ならもっと上手にやるなんて言っている割には、あなたが健壱を風呂に入れて、頭を洗ってあげたことなんて、あったかしら。
健壱に「パパがやってくれたのって訊かれたら、首をウンウンてするんだよ」って言い聞かせている声はしたけれど、気のせいかしら。
大人がきちんと洗っていたなら、健壱が耳の後ろにシャンプーの泡をつけたまま出てきたり、風呂からあがったと同時に大きなくしゃみをしたり、鼻水をたらしたりなんかしないはずだと思うけど？
あなたって、健壱より我儘で、逃げてばかりね。
何もかも思い通りにしたいと望んでいるけれど、自分からは動いたり、改善しようってところが少しもないんだから。
やってもらうことばかり考えて、自分がやらなくてもいい理由をずらずら並べて、格好悪いって気づかない？
そうかもしれないけどぉ、ほおら出た出た、あなたの癖が。
だいたい私が口うるさいとか、神経質すぎるって逆に責めるつもりなんでしょう？もう通じないわ、そんなやり方。
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