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「ヴァルター、紹介する。こいつは技師のノールフェン。俺がメインで使ってる装備作ったやつの弟子でな、最近独立して……ああ、心配すんな。若いが腕は確かなやつだから」
「はじめ、まして。ヴァルター、です」
親方と共に進んで行った技師街の片隅、小さめだけど真新しい工房の中。作業の途中でしたという出で立ちでおれたちを出迎えたのが、ノールだった。
目線の高さに額が来るからか、見上げる目元がそう見せるのか、見た目は確かに若かった。若いというよりも、まだどこかあどけないと思える感じも否めない。その時のおれが言えた事じゃなかったかも知れないけど。
とは言え、ムーサの中で若い技師自体は珍しくはない。
珍しくはないけれど、独立したばかりと言うには、工房には最新鋭の機材に混ざって使い込まれた機材も多く揃っているように見えた。
師匠から受け継いだものかはわからない。でもその全てがしっかり手入れをされている様子からして、それだけで腕は確かというのに偽りは無さそうなのが充分にわかる。
「ノール、それで、こいつがこの前言ってた俺んとこの新人。ヴァルターだ」
歳を聞かれたのでおれが答えると、ノールはその三つ上だと親方はノールの歳を口にした。
年上で、技師として有能らしくて、きっとムーサでの暮らしも長いのだろう。気を引き締めて接した方がいいかなと、おれが背筋を正して向かい合うと、ノールはそこにずいと顔を近づけてきた。
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