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「今年はのぞみ先生のおかげで夏祭りのクオリティが半端なかったな」
「のんが来てくれるから、張り切ったんだよ」
「は、まじで?」
「うん。あ、あとこれ」
リtルミィの手作りお面を渡す。
「これも、のんのために作っておいた。
のん、このコ好きだもんね」
「おお、俺のリtルきぃちゃん」
大げさにそう言って、お面とキスをする。
「なにそれ、リtルきぃって」
「このコ、きぃとそっくりじゃん。
しかも名前まで似てるし。
俺の中では、このコはリtルきぃだから」
「なっ、、じゃあ車のキーのマスコットも、メッセージのスタンプも…?」
「なに今更。全部リtルきぃだろ」
呆れながら、お面を頭部斜めに被ってみせる。
「全然、似てなくない?」
喜んでいいのか怒っていいのかわからなくなる。
でも今は嬉しい気持ちの方が圧倒的に勝っていて、顔が緩むのを堪えられない。
「今まさにそっくりな顔して言われてもねー」
「嘘、ほんと?」
「うん、俺の大好きな顔」
子供のような屈託のない笑みに、また複雑な気持ちになる。
喜んで、いいの?
いや似てないよ、と抗議するべき?
花火が終われば、ぞろぞろと親子たちが帰って行く。
唯くんとも他の親子同様、「さようなら」と軽く会釈をするだけで別れた。
何か物言いたげな雰囲気だったのは、気のせいかな。
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