男友達の同期

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男友達の同期

「あのさぁ、これで何回目?その手の話。」 目の前で頬杖を着きながら呆れた口調、表情で撃沈する私を見ている男。 この男は私の大学時代からの友人、(さかき) (あきら)。同じスマホアプリを開発する企業に務めるシステムエンジニアの同期。 仕事面では仕事が早くて丁寧で的確で、なんて褒められていて25歳にしては同期の中でもずば抜けて優秀なんて言われている。 ただその裏側、容姿端麗と褒められて、黒髪で誠実そうに見せておいてこの男は、それを利用して寄ってきた女を捕食してしまうという最低なクズ男。 それにこの男は、容姿がいいだけでも無く程々に女心を理解出来るから、その場だけの心地良い言葉をくれると女の人達から人気なんだそうな。 私には適当で優しさの欠けらも無いただの男友達に過ぎないけど、それでも程々に話を聞いて適度に話してくれるこいつの傍が心地良くてこうして毎度何かある度に愚痴を吐くため呼び出している。 私はと言うと、同じ会社で働く開発部の同じく25歳、日向(ひゅうが) 咲春(ちはる)。 これと言って特に特徴がない普通の女。髪は肩に付くくらいで、メイクが特別上手いわけでもない。 私とこいつが恋にならない理由が私にもあると思う。この男のタイプが大人っぽい後腐れのない女。綺麗系がタイプ。 知りたくなくても大学時代この男の隣に立っていた女の人を目にするとそういう人ばっかだったから、知らず知らずの内にタイプを知ってしまっただけの話だ。
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