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「朝から死にそうな顔してんじゃねーよ」
月曜日の朝。
小学校の下駄箱で、そんな声が聞こえた。
思わず、「げっ!」と反応した私は、声の主を見る。
諏訪だ。
わたしの幸せを奪った張本人である。
大げさかもしれないが、わたしは本気で恨んでいるぞ、諏訪。
そう思って、わたしは口を開く。
「はぁ~? あんたのせいだよ! あんたの!」
「おれは、なーんもやっとらんし!」
「やっとる! 私の楽しみを奪っておいてムカつくわ!」
「なーんのことだかさーっぱり! 勝手に俺を悪者にしんでほしいだけどー!」
「その人をバカにしたような態度がムカつくの!」
「別におれはそんな態度してませんけど~。自意識過剰すぎだら」
諏訪は、そこまでいうと鼻で笑った。
それから、「智樹ー。はや行くよー」と声をかけてきた他の男子と共に、下駄箱を後にした。
あー、もう! 本当に嫌な奴!
同じクラスってだけでも嫌なのに、なんでお気に入りの喫茶店も同じなんだろう……。
最悪だ……。
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