さよならモーニング

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 諏訪とは、幼稚園の頃からの仲だ。  家はさしてご近所さんではないのだけど、小さな頃から知っている。  諏訪は幼稚園の頃から、くりっとした目が特徴的で女の子によく間違えられていた。  小学校六年生の現在、そのまま成長した諏訪は、「かわいい~」と言われて女子に人気がある。  わたしからすれば、意地悪そうな顔にしか見えない。  だって、小さな頃からわたしと諏訪は犬猿の仲なのだ。  別にわたしが奴に突っかかっているわけではない。  諏訪のほうから突っかかってくるのだ。  わたしは平和に暮らしたいのに、諏訪がいちいち嫌味を言ってきたりからかってきたりする。  それなのに諏訪とは、小学校生活の半分以上同じクラス。  しかも、六年生の現在まで同じクラス。  それだけでもうんざりだというのに……。   「昨日さあ、家族でモーニング行ったら、マリちゃんたち見かけただに」  クラスメイトの女子がそんな話をしている。  いいなあ、モーニング。  やっぱモーニング抜きの週末なんてあり得ないんだよ。  愛知では――少なくとも私たちの周囲は、ほぼ毎週末、喫茶店でモーニングを食べる。  朝は家族でモーニング、というご家庭は結構多いのではないだろうか。  家族で外食はめったにしないけど、モーニングは欠かせない。  それが愛知県民だと思っている。  つまり、わたしは今、愛知県民のはずなのに愛知県民ではない。  そのぐらい、喫茶店でモーニングが食べられないのは、あってはならないことなのに。  ああ、諏訪が憎い。
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