調教師の調教日記

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思い出した。西園寺グループのトップで、若くして成功したと聞いていて私の居た館にも頻繁に来ていたと聞いたがまさか…この青年が…? 「そうだ。拡張をする時は連絡をくれ。その過程も見たい」 「か、かしこまり…ました…」 「あぁ道具が欲しいならそこのベルを鳴らせば召使いが誰か来るから買いに行かせろ。あとトイレはそこのペットボトルにしてまた入れて置いてくれ」 その言葉で視線を辿ればダンボールに500mmのペットボトルが1ダース分入っていて、冗談だろと思いながらも了承の返事をした。 「私の言いたい事…わかるな?」 「えっ…?と…部屋から…出るな…?」 「流石に賢いな。帰ってくるの楽しみにしているからな」 近付いてきて顎に指をかけられ目を合わせられ、顔が近付き唇が重なった。昨日より苦味は薄れている…そのまま時が止まったように感じていたが、ゆっくり唇は離れていった。 「行ってくる」 「行ってらっしゃいませ智将様」 「良いね。うん。行ってくる」 頭を撫でられ微笑まれて智将は出て行った。とりあえず拡張しろって事なのだから、ローションと器具が欲しい所だ… ベルを鳴らしてみればノックが聞こえ、どうぞと言えば黒髪に燕尾服の執事が入ってきたが、この人も真っ白な仮面をつけている。
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