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悪ガキは泣きながら神社から逃げていった。
子猫を池から助けることに成功した。
保護した猫に家族はいなかった。ぼくはしかたなくその子猫を家に連れて帰ることにした。あいちゃんならきっと分かってくれるはず。
こうしてその子猫はぼくの家族の一員になった。
明日はどんな出会いがあるのだろう。
ぼくの名前はダイアン。大安って書くんだよ。
ぼくの名前のようにみんなの毎日が大安吉日だといいよね。
うれしいな!
なんと今日はぼくの誕生日!
五月一日は毎年特別なんだ。もちろんご馳走三昧なんだよ。あいちゃんとあいちゃんのお母さんが、ぼくのために大盛りの鰹の缶詰と鰹節を用意してくれるんだ。ああ、もうよだれが出る。
「はい、ダイアン」
あいちゃんがさっそく大盛りの鰹缶をもってきてくれた。
いただきます!
ぼくはお皿にむしゃぶりついた。
「はい、大吉ちゃんも」
そうそう、このあいだ保護した子猫は大吉と名付けられてあいちゃんの家族に可愛がられている。
大吉も嬉しそうに鰹缶にかぶりつく。
大吉はぼくのかわいい弟分みたいなものだ。
腹一杯食べたらお昼寝だ。ぼくらは押し入れに入って丸くなった。
心地よい眠気に誘われる。
うっすら目を開ける。
周囲がぼやけて見える。
何時間寝たのかな。
ぼくは大きく四肢を伸ばした。
「ダイアン起きたのね」
あいちゃんがぼくの顔をのぞき込む。
ぼくはあいさつがわりに、舌であいちゃんの鼻をペロッと舐めた。
「ダイアン」
そう言ってあいちゃんは微笑み、ぼくの背中を優しく撫でてくれた。
ぼくは真っ先に顔のお手入れをはじめる。
まず襟首や背中、からお腹にかけて入念に舐めた。それから右手を舌で舐めて、お顔の右半分を入念に擦り、それがおわると今度は左手を舌で舐めてその手で顔の左半分を擦った。
ああすっきりした。
お水でも飲むか。
ぼくは押し入れからゆっくりとジャンプして、あいちゃんが置いてくれている低めの椅子に飛び降りた。それからポンとカーペットの上に着地して、前足を伸ばして腰を上げ、背中を伸ばした。
水飲み場はキッチンの窓側に用意されている。あいちゃんか、あいちゃんのお母さんがいつも新しい水を入れてくれているんだ。
どっこいしょ、水飲み場にゆっくり歩いて行く。
器の水が新鮮なのがすぐに分かる。
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