天使ねこダイアンの毎日が大安吉日

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 ペロペロとお水を飲んでいると、大吉もやってきた。ぼくは大吉に場所を譲る。生後三ヶ月の大吉はぼくを兄貴のように慕ってくれる。  こいつは可愛いんだ。それにすごく甘えん坊なんだ。  ぼくがリビングのソファーで寛いでいると、水を飲み終えた大吉が、遊ぼうよ、と言って飛びかかってきた。ぼくはしばらく寝転がったまま大吉の遊び相手をしていたけど、大吉は元気いっぱい。ぼくはキッチンに飛び出した。そしたら大吉も負けじとぼくを追いかけてくる。  ぼくは追いつかれまいと、冷蔵庫の上に飛び乗った。さすがにこれはベテランの技、ぼくにはまだまだ追いつけないね。そう思いながら余裕かまして下を見下ろしていると、冷蔵庫近くのテーブルの上に上がってきて、そこから冷蔵庫目がけてジャンプしようとした。 「はい、追いかけっこはここまでよ」  その時、あいちゃんが大吉を片手で抱きかかえて捕獲。 「ダイアンも降りてきて」  リビングに呼ばれたぼくは冷蔵庫から飛び降りてあいちゃんの後を追う。 ぼくと大吉はむりやりピンクと水玉の帽子を被せられた。 「みんなでダイアンの誕生日の写真撮るわよ」  パシャ!  ……写真映りは最悪だった。やっぱり男前のおいらにピンクの水玉模様の帽子は似合わなかった。どうみても、これは大吉にピッタリの帽子だ。  そんなおいらの気持ちなんてあいちゃんは、全く気づいてくれなくて、「ダイアンも大吉ちゃんもとっても可愛い!」と自己満足の世界。ああ、これは運命として諦めるしかないのか。でも良いこともあったよ。 「ダイアン、大吉ちゃん」  あいちゃんから呼ばれると同時に、 「ダイアンお誕生日おめでとう」  目の前に大盛りの鰹節に鰹の缶詰を盛ったお皿が置かれた。  わぁい! いただきます!  おいらは真っ先に鰹節の山に顔を突っ込んだ。 「はい、大吉ちゃんも」  大吉にも鰹節大盛りのお皿が置かれた。  おいらと大吉は帽子の事なんかどうでも良くなってひたすら食い続けた。  ああ、腹一杯だ。  大吉は若いだけあってまだガツガツ食べている。  おいらはキャットタワーの一番高いところに陣取って眠りに入った。あとから大吉もやって来るだろう。  なんて幸せなんだろう。
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